『東風（こち）吹かば　匂ひおこせよ　梅の花　あるじなしとて　春を忘れそ』
訳：我が家の梅の花よ。東風が吹いたら、私がいる大宰府まで匂いを届けておくれ。主人がいないからといって、春を忘れてはならないよ。（拾遺和歌集 / 作：菅原道真）

和歌を題材とし、紅梅に上の句・白梅に下の句をそれぞれ書いた組酒盃です。

【赤絵細描(あかえさいびょう)画風】
赤絵細描画風は、九谷焼の中でも特に人気の高い画風のひとつです。
赤で緻密に人物や花鳥を描き、周りを小紋で埋め尽くして金彩を加えるのが伝統的な画風ですが、 近年は新進の作家によるモダンな解釈の作品も出てきています。
元々は吉田屋窯から引き継いだ宮本屋窯（1832～1859）で作られた様式で、主工の飯田屋八郎右衛門が独特の赤絵細描画風を確立させたことから「八郎手」「飯田屋」とも呼ばれます。